Gandona

与えられた時間を過ごす中、自分を揺さぶり影響を受ける瞬間が沢山ある。それは自らの成長と人格の形成に繋がり、歳を重ねながらも自分が歩んできたその人生を反映させ、そして賛美し続けたい。

 ワイナリーを訪問すると石畳に素敵なモザイクがデザインされています。それはポルトガルのポルトゲーザ・カルサーダ(Portuguesa Calçada)と呼ばれる1つの芸術。白い正方形の石を使い黒い石が混ぜられデザインされます。ポルトガルを訪問するとよく見かける装飾です。

オーナーのマニュエル・パイヤーズ(Manuel Pires)はポルトワインの産地で有名なポルトガルのドウロ地方出身。ワインの世界に導かれたのはそこで農業を営んでいた彼の最愛なる祖父の影響があります。彼の祖父は同情と優しさに溢れる人で村の人にとても慕われ『Gandona』と呼ばれていたそうです。日本語に訳すと『謙遜家』という言葉が近いと思います。マニュエルの祖父は葡萄とオリーブを栽培し近所の村へ販売をしていたそうです。マニュエルは時間があると祖父の農場へ行き時間を過ごしお手伝いをしていました。そこで経験した事はまるで煉瓦を1つづつ積むように自分のビジネスにとても役に立ったと言います。

セキュリティービジネスで成功を収めたマニュエル。以前はアメリカのコネティカット州に家族と住んでいました。仕事で毎日追われる日々でどことなく空虚感を感じる事があったマニュエルはポルトガルを思わせるナパ・バレーを奥様と頻繁に訪問しワイン、食事、自然を楽しむ中、このような人生を送れたら、という夢を抱いていました。2006年に奥様とナパ訪問の際、今Gandonaがある土地、Prichard Hillを訪れ『ここだ』と思い、自分達の娘2人も十分に成長した事もありこのタイミングでワイナリーを建てる事を決意します。ポルトガルで祖父と過ごした時間がゆっくりと蘇ります。今までのコーポレイトライフとは全く関係のない時間の流れを送る日々。葡萄の収穫に向けて毎年スケジュールを組み自分でも予期しなかった充実した毎日を家族と過ごしているそうです。

 Gandonaのワインを作るワインメーカーは名の高いフィリップ・メルカ(Philippe Melka)。彼はフランスのボルドー出身。ボルドー大学で地質学とワイン醸造を学びます。フランスでは1級シャトーのシャトー・オー・ブリオンや、右岸ではシャトー・ペトリュスでも経験を積み、向上心に溢れる彼はその後西オーストラリア、チリ、イタリアのキアンティを訪問し醸造に関して経験と知識を広げます。そして90年代に辿りついたのがナパ・バレー。ドミナスやリッジで勤めナパという土地柄を感じ、学び、今ではナパ・バレーで多くのクライアントを持つ引っ張りだこのワインメーカーです。

地質学にも強いメルカはGandonaの畑の管理をジム・バーバーとしています。ジムはナパを代表するブドウ栽培家の一人。アシスタント・ワインメーカーはアダム・カスト(Adam Casto)。メルカとの出会いはナパにあるDana Estate。腕を見込まれGandonaのチームへ。アダムはコロラド州出身でニュージーランドや南アフリカでもワインの醸造を学びます。醸造の他に工学やアートも勉強してきた彼は多様性に満ちた感覚を持っています。

 葡萄畑は約20811坪(17エーカー)あり12区画に分けて管理されています。主にカベルネ・ソーヴィニョンを主体としたボルドー品種が植えられています。そして忘れてならないのが、マニュエルの出身地で有名なポルトガルの土着品種の1つ、トウリガ・ナシオナル(Touriga Nacional)の葡萄も栽培されています。彼の人生に大きな影響を与えた祖父の思いが一杯詰まっているポルトスタイルのワインも作っています。

 カベルネ・ソーヴィニョンを主体としたワインを生産しています。